第二十回定例会:議事録

FacebookTwitterGoogle+MixiYahoo BookmarksHatenaEvernoteSina WeiboQQ共有

奥泰斯幹部養成塾

講師:奥泰斯総経理 馬場憲幸氏

幹部養成塾開催のきっかけ
2008年に前総経理が奥泰斯のマネジメントロードマップを設定し、日本本社からの支援を減らし、中国人(もしくは現地採用の日本人)による経営に段階的にシフトして行く事が示された。

この時に当時副本部長だった馬場さんは、以下の課題を感じておられた。

  • 中国人にマネジメントを任せるために、今何が出来ているか?
  • 人は勝手には成長しない。
  • 中国人幹部に対し専門能力は指導できているが、総合能力(マネジメント能力)は十分に指導できているとは言えない。
  • 精神論や性善説が通じるのは日本人だけか?中国人には通じないのか?

これらの課題を解決でするためには、自らの気持ちや考えを全社に伝える必要がある。そのためには社内的に経営者としての立場が必要だろうと感じた。

そして2010年に副総経理に昇格された機会に、具体的に経営幹部養成塾の構想を実現化し始めた。2011年に1回目を実施された。


研修の目的
奥泰斯の将来の経営幹部の発掘および育成を目的とし、参加 者の意識、視野、知識の拡大を狙う。


受講者の選定基準
経理、課長または、これらに準ずる担当者の行動特性評価を 参考にし、経営者の判断にて選出する。


受講は自由意志
毎月1回休日開催、12ヶ月実施する。残業扱いにはしない、代休もなし。欠席したら次からは参加不可。宿題がある。など厳しい条件で参加の意思を確認。中には参加しなかった人もいたが、特殊な場合を除いて参加者は全員12回の研修を受け卒業した。


その他の従業員定着の取り組み
  • 作業訓練(TWIを活用した作業訓練
  • 多能工制度
  • 社員食堂
  • 社員旅行
  • 各種行事
  • 20周年記念式典

生産性改善活動:ODIS 80
  • D改善活動
    トップダウンによる改善活動
    上位方針、職場内の優先課題を意識して 成果にこだわる活動。(管理能力のアップ)
  • C改善活動
    ボトムアップによる改善活動
    身近な問題から解決し、成功体験を積上げる。(問題解決力のアップ)
  • チームプロセス活動
    5S徹底・ルール遵守などの職場の課題 を宣言し、取組む活動からスタート! (協働意識力のアップ)

この研修を終えて馬場さんは、自分自身が一番勉強になったと感じたそうだ。
研修を通して奥泰斯の企業理念を理解した幹部により、以前からあった奥泰斯の価値観(日本文)を分かりやすく端的な中文にする事が出来た。

また2008年当時4本部の本部長は全て日本人が担当していたが、現在は9本部中4本部が中国人本部長となっている。

【講演資料】


質疑応答
【Q】OD-Net’sで職員の変化はあったか?
【A】自分視点から全社視点に変わった。
参加者間のコミュニケーションが良くなった。
総経理からひとこと言うと全体に伝わる様になった。
【Q】中国人に対して性善説を持つ様になったきっかけは?
【A】日本人も中国人も変わらないと思っている。
中国人の方が素直で付合いやすい。中国出向は自分から希望した。


パネルディスカッション
馬場総経理、李元舟品質保証本部長、孫蘭容管理本部長、林(モデレータ)

パネルディスカッション

【Q】一年間の研修を通して得られたものは?
孫:勉強そのものに興味を持てた。座学より演習中心なのが良かった。他人の発表を聞く事も勉強になった。
一緒に研修を受けた仲間とのコミュニケーションが良くなった。
李:毎月一回6時間の研修だが、残りの29日間は宿題に時間がかかった。1日の研修より29日の自習が力になったと思っている。宿題をこなす事で自分にプレッシャーをかけて取り組むことが出来た。
この研修は知識だけではなく意識の変化が大きかった。ジョブローテーションへの抵抗が下がった。(李さんは生産技術から品証に異動している)
馬場:宿題は、次回勉強する内容を簡単に説明し、事前に調べる事を宿題と課した。
ローテーションは成長のチャンスを与えるために、事情が許す限り与えたいと考えている。
【Q】8回目の他人を褒めると言うワークに感心した。この回で飛躍的に人間関係が良くなったと思うが?
馬場:研修生に対し褒める対象を1人ずつ設定し、ひと月かけて20個優れた点を探す様宿題を出した。優れた点はその根拠となる事実と一緒にプレゼンテーションする必要がある。容姿などは対象としない。
李:中国人同士でも相手を褒める事は難しかった。この宿題をする事により他人の立場を理解しようとする習慣が出来た様に思う。
孫:良い点の根拠を知るために、対象者の過去まで調べた。この宿題によって人間関係が良くなった。当時経理を担当していたが、仲間の仕事を深く理解できたために、他部署の業績評価の精度を高める事がで来た。


参加者のグループディスカッション
参加者で6つのグループに分かれ、馬場さんの事例を自社にどう応用するか議論していただいた。

グループディスカッション

  • 少人数の組織なので、コミュニケーションは出来ていると考えていた。今回まだ足りていないと気がついた。
  • 全社レベルで考えてほしいが、自部門優先、個人優先になってしまっている。今回の事例を聞いて、メンバーが全社レベルで物事を考えられる様に指導したい。
  • ローテーションは難しいと考えていた。褒める事で、関係を良くし、相手に自信を持たせる事により、ローテーションも可能になるのではないかと考えている。
  • ジョブローテーションが可能なのは、教育によって社内の風土を整えてあったからだと思う。
  • プログラムの中にあった「相手を褒める」と言うのはすばらしい。自社でも取り組みたい。褒め合うのが研修だけでなく社内で継続する様になるといいと考えている。
  • 工場長のマンパワーで生産が維持できている。今後幹部の育成に取り組んで行きたい。
  • 褒めるのは2個3個ならすぐにも出来るが、20個見つければ、きっと仲良くなれるはずだ。そしてそれが、企業文化となる。
  • 宿題を出すのが難しいと思った。
  • 馬場:教えるのではなく学ぶと言う事を大切にした。
    勉強してほしいところ、例えば経営的な課題などを説明し、宿題を与えた。
    李:自主学習により、改善の仕組みが身に付いた。まずやってみてPDCAをまわし続ける事が重要だと分かった。
    孫:上位視点でモノを考える習慣が身に付いた。
  • ジョブローテーションをするために、基本マネジメントを充実させなければならないと言う課題が見つかった。
  • 部門間、日中間に問題点があり困っていた。中国人スタッフから権限委譲を要求されているが、社内研修で意識を合わせればできると思えた。

参加者の感想
  • 社員教育の充実が根幹にあり、その成果として経営が成り立っている点を確認できました。
    パネルディスカッションで実績をローカルスタッフに直接聞けたこと。また各テーブルでの話し合いも良い試みだと思います。
  • 改善の方法と結果(効果)の部分のフィードバック
    参加者の生の声を聞く事が出来大変勉強になりました。
    改善プログラム、詳しい内容まで見せていただけ、いくつかを実行したい。
    押しつけの教育だった。自主的にアイディアが出る仕組みを作りたい。
  • 講演、パネルディスカッション、グループディスカッションで、テーマを掘り下げる手法がすばらしかったです。
    テーマが身近で、更に自社に取り入れ何とかなりそうなヒントが得られた。
  • 参加者同士のディスカッションが良かった。
  • 他の会社の教育方法を聞く機会は、貴重な経験でもありますし、満足できる内容でした。
  • パネルディスカッションで社員の本音が聞けてよかった。
  • 今時分が進めようと思っている教育について、大きくかぶる部分があり、改めて方向性が間違っていない事が分かり安心しました。
    褒める。良いところを20個あげると言うこと、宿題を出す事が大変参考になりました。
  • 中国人幹部の方の生の声が聞けてよかった。
    事務局の時間配分がうまく出来ていた。
  • 異業種交流が出来、会社の改善点なども聞く事が出来た。
    多様な会を開催されていて参考に出来た。
  • 他社の社員教育プログラムがどのように実施されており、その効果を見る事が出来満足できた。

集合写真

林@クオリティマインド の紹介

中国広東省にて品質改善・経営革新コンサルをしています.
カテゴリー: 議事録   パーマリンク

コメントは受け付けていません。