第十九回定例会:議事録

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テーマ「従業員のモチベーション向上 「家(JIA)」の事例から」

第十九回東莞和僑会定例会(深セン和僑会共催)

講演会+パネルディスカッション
テーマ:従業員のモチベーション向上 「家(JIA)」の事例から
講師:原田燎太郎氏
日時:9月12日(土)15:00~17:00 講演会+パネルディスカッション
          17:30~20:00 懇親会
場所:東莞方中假日酒店会議室


原田燎太郎さんのプレゼン

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原田さんのボランティア活動との出会い。
学生時代に、日韓の学生によるハンセン病元患者支援のボランティア活動に参加したのがきっかけとなり、ボランティア活動をすることになった。
大学卒業後に、ハンセン病隔離村に住み込みボランティア活動を継続する。
ボランティア活動の輪が、中国人学生に広がり「家(JIA)」と言うボランティア学生の支援組織を作る。

【参考資料】
「家(JIA)」の運営

「家(JIA)」の地区

「家(JIA)」事務局

原田さんは「家(JIA)」の活動によりシチズン・オブ・ザ・イヤー賞を受賞している。

「家(JIA)」の活動は、華南に8つの地区委員会があり、46ヶ所のハンセン病隔離村でボランティア活動をしている。
毎年2,000人ほどの学生がボランティアに参加する。
「家(JIA)」の運営は、地区代表の理事で構成される理事会で意思決定される。
コーディネータと呼ばれる学生ボランティアが、計画立案、メンバーの募集、資金調達、活動、活動のまとめを行う
2014年までに717回のワークキャンプを実施し、15,552人のボランティアが参加している。
事務局7名が、ボランティア学生を支えており、毎年250〜300人のコーディネータの育成を行っている。


パネルディスカッション
パネラー:原田燎太郎さん、菅野真子さん(JIA事務局)、富田義彦さん(深セン市永興発実業有限公司)、馬場憲幸さん(奥泰斯電子(東莞)有限公司)、林(司会)

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参加者が各グループに分かれ、原田さん、菅野さんに聞いてみたい事を議論。
パネラーと一緒にディスカッションを行った。


学生はボランティア活動に参加してどのような変化を起こすか。

ボランティア活動は、人を変えるモノではなく、人の心に作用するモノだと思う。個人の気持ちに響くものがあれば人は成長する。感じる力のある人は成長する。

初期の頃通訳としてボランティア活動に参加した学生・マークは、ハンセン病元患者とは距離を置き手を触れる事もなかった。しかし一人の老婆が死に瀕した時に、家族が誰も来ないのに日本人ボランティア達が懸命に看病するのを見て感動した。その後彼が中国人ボランティアを集める中心的な人物として活躍する様になる。その後マークから原田さんに宛てられた手紙には「僕たちのワークキャンプ」と記されていた。

利己から利他の気持ちに変わって来る。チームワークの精神が出て来る。活動に対する充実感からこの様な変化が生まれる。

会社組織もボランティア組織でも重要なのは「目標」より「目的」。何のためにやるか「Why」が一番重要であり「What」「How」を含む目標はその次に来る。

以下は学生が感じている自分の変化

  • 自分の領域が広がる。家族、学校、友人などに限定されていた行動領域が、格段に広がる。
  • 仕事の意味が理解出来る様になった。
  • 皆でやる事を考える様になった。
  • 利他で考えることが出来る様になった。

これらの変化が、多くの学生にとって「想い出」になってしまっているのが残念に感じる。社会人ボランティアにも、自己変化をインタビューし始めている。


学生がボランティアに参加するきっかけは?
学生ボランティアの参加動機はまちまちだ。
外国人と交流したかった。
友達が欲しい。
楽しそうだから。
たくさんの人が行くから。
おばあちゃんに勧められたから。
など様々な理由で参加して来る。

OPTEX社内で老人ホームの慰問などのボランティアを募集したら、100人(全従業員600人)の応募があった。
パイオラックスでは四川地震の時に2,000元寄付する作業員がいた。

ハンセン病元患者を助けたい、社会問題を解決したいと言う気持ちで参加する者はほとんどいないだろう。しかし個人的なきっかけで参加をし、仲間との交流、ハンセン病元患者との交流を通して、心の底にある善良な心がひき出されるのだろう。

中国人の公共道徳観や、自己中心的な考え方をよく思わぬ日本人も多い。しかし心の底には、学生ボランティアと同じ善良な心があると信じている。


マークの感動はどのように組織に伝わったか
ハンセン病元患者の支援に全く興味がなかった(と言うよりハンセン病元患者に対して忌避感を持っていた)マークが、多くの学生を巻き込む中心的な活躍をしている。彼の感動はどのように組織内に伝わったのか?

どうやって多くの学生を巻き込んで行ったのかは不明だが、彼の性格から考えると、地味に一人ひとり口説いて行ったのだと思う。

カリスマ性はなくとも「感動」と言う切り口があれば、多くの人を巻き込む力になるのではないだろうか。


活動を継続する秘訣
学生による活動は、4年で全員入れ替わってしまう。年間離職率が25%の企業を経営するのと同じ苦労があると思われる。どのような秘訣があるのか?

事務局にとってもそれは課題になっている。しかし広西省南寧地区だけは、代が替わっても活動がぶれていない。今度要因を調査してみる。


社会人ボランティアと学生ボランティアの違い
社会人の方が、アウトプットを出すのは上手い。
ワークキャンプに参加すると、社会人は肩書きが取れて社外人間関係が築ける様になる。


他のボランティア団体と「家(JIA)」の活動の違いがあるか?
他の団体はモノやお金の支援が多い。
「家(JIA)」は人との関係にフォーカスした活動をする。
支援する側も自己成長がえられる。


時間の制限があり、参加者から上がった質問を全て議論する事は出来なかった。しかし有意義な質問であり、ここに記録をしておく。

  • 活動を点から面に広げる秘訣は?
  • 「家」活動をしていて一番嬉しかった事は?
  • 原田さんや菅野さんご自身の成長を感じているか?
原田さんと和僑会の出会いはドリームプランプレゼンテーションでした。記念撮影は、ドリームプランプレゼンテーションの福島正伸先生にあやかり「みんな大好き〜!」で撮影

原田さんと和僑会の出会いはドリームプランプレゼンテーションでした。記念撮影は、ドリームプランプレゼンテーションの福島正伸先生にあやかり「みんな大好き〜!」で撮影

【記録係の感想】
ボランティア学生の高いモチベーションや貢献意欲の源泉を理解すれば、自社従業員を活性化することができるのではないだろうか。その様な期待で、原田さん、菅野さんをお呼びして講演会+パネルディスカッションを企画した。

自社従業員が貢献意欲を持ち、モチベーションをキープして難しい課題に挑戦して行けば、必ず企業の業績が上がるはずだ。
そしてそのヒントは「家(JIA)」の中にあると確信した。

  • 目的を共有している。
    企業経営の目的は利益を上げる事かも知れない。しかし経営目的の上に、企業の存在目的があるはずだ。例えば、仕事を通して従業員の幸せを追求する。仕事を通して世界の幸せの総和を増やす。経営者目線の目的ではなく、社会的存在としての目的が共有出来ていると言う意味だ。
  • 自主的な活動が行われる。
    自らプロジェクトを企画し、計画、メンバーの招集、実践をすれば、結果に対するコミットメントは強くなる。ヤラサレ感は無くなり、貢献意欲は高まる。
  • プロジェクトリーダには技術的、精神的支援が与えられる。
    技術的な側面の教育ばかりではなく「家(JIA)」事務局はプロジェクトコーディネータを叱り飛ばし、時に思いっきり褒めると言う。この愛情を感じることができれば、人はやる気を上げるだろう。
  • 人と人の関係で「化学反応」が発生する仕組みがある。
  • 仕事に達成感、充実感があり、なによりも仕事そのものが楽しい。

これらのヒントを体系化し、再現可能な人財育成プラットフォームにして行きたいと考えている。

林@クオリティマインド の紹介

中国広東省にて品質改善・経営革新コンサルをしています.
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