第十八回東莞和僑会定例会「永和工芸盒有限公司工場見学・交流会」議事録

FacebookTwitterGoogle+MixiYahoo BookmarksHatenaEvernoteSina WeiboQQ共有

2015年7月25日、事務局を含め26名の参加者で永和工芸盒有限公司を訪問し工場見学・交流会を開催しました。
一番遠い方は、雲南省昆明からのご参加でした。定刻までに全員揃うと言う奇跡(笑)も今回の工場見学に対する期待の高まりかと思います。

今回の工場見学・交流会は皆さん其々多くの気付きを得たと思います。以下私の気付きを述べさせていただきます。

■林(lin)製造部長から会社概要の紹介

永和工芸盒有限公司
1999年設立
2007年独資化
業務内容:化粧梱包箱の生産
従業員:約300名(内日本人3名)
企業理念:我们不允许妥协 全心的制造出有创意性的产品 创造出人们所期盼的希望和笑脸。
会社紹介をする林製造部長

会社紹介をする林製造部長

■小林総経理から企業文化の紹介

真剣に小林総経理の話を聞く参加者

真剣に小林総経理の話を聞く参加者

  • 6S(整理・整頓・清掃・清潔・躾・安全)活動

    毎日の掃除を6Sのスタートと考えている。
    月に一度巡視をし各職場の採点をする。2回連続で1位となると、総経理と食事会。1位を更に継続すると、レストランがグレードアップ、5回連続で旅行に連れて行く。
    逆に6S評価が2回連続で合格点を越えない場合は、ボーナス半減。3回連続で合格点を越えないとボーナスなしとなる。

    成績が良い職場は更に頑張って良い成績を目指そうとするが、成績の悪い職場は、あきらめ感が広がり活動が停滞することがまま有ります。それを防ぐ為に「賞」だけではなく「罰」を規則に入れられたのだと思います。しかし小林総経理は、2回連続でマイナスになりそうな職場が出た時に、6S以外の貢献を評価し得点をプラスしたそうです。

  • QCC活動

    毎週月曜日終業前30分間をQCC活動の時間と決め、職場単位でQCC活動をしている。
    毎月成果発表会が有る。
    活動による成果だけではなく、職場のチームワークや、モチベーションアップに効果がある。QCC活動を通して、従業員一人ひとりに「仕事の楽しさ」を体験してもらうのが一番の目的。

    通常、作業員は班長の指示に従って作業をするだけです。しかしQCC活動の時間は、自分の意見や工夫が採用されることも有ります。意見を言って皆が聞いてくれた、こんな些細なことでも人のモチベーションは上がるモノです。こういうことが分かっている優秀なリーダは、QCC活動を組織をまとめる手段として活用しているのでしょう。

  • コミュニケーション

    毎月1回総経理とのグループ懇談会をやっている。その他に週3回社員食堂で食事会をやる。

    ノミュニケーションもやっておられる様です。永和の乾杯儀式を、懇親会の時に紹介していただきました。飲み会の締めは、日系企業らしく三本締めです。

  • 朝礼

    毎朝朝礼を行っており、『経営計画書』『職場の心得』の一節を唱和し、意味を解説している。
    『職場の心得』は、ヒト造りの為に、社会人のマナーについて書いてある。

    経営計画書、職場の心得は小冊子になっており、小林総経理がお持ちの職場の心得は使い込まれており、ボロボロになっていました。どの一節を唱和するかは、スケジュールが決められており、1年間で全ての節を唱和・解説することになっています。

  • 心技体の一体化

    経営には心技体の一体化が必要。心は経営理念や経営目的。技は商品の設計や生産の技術。体は人と組織、教育と規則で作る。

  • 企業文化

    毎朝の30分が会社の文化を作る時間と位置づけている。
    毎朝30分の内訳

    7:50
        体操
    7:55
        教育
    8:00
    8:03
        掃除
    8:18
    8:20 仕事開始

    継続が文化を作るのですね。

  • 目標が行動を促す

    夢や理想が目標を作る。目標を達成する為に行動を起こす。行動には報酬が与えられる。これが楽しさを生む。指示命令で行動を起こすのは楽しくない。

    報酬は金銭だけでは有りません。成長実感、楽しさが報酬となり、更に行動を促す。内発的動機付けのお手本です。

  • 良い挨拶には20元の報酬が与えられる

    金で釣って挨拶させる。金で釣っても、それが継続されれば習慣となる。

    初めは挨拶に心がこもっていなくてもいいんです。形から入り心に至る、と言います。継続の力です。社内ですれ違う工員さん達は、相手の目を見て挨拶しています。

■現場見学

  • 開発プロジェクトの見える化

    開発プロジェクトの見える化
    量産開始までの全プロジェクト進捗がひとまとめで見える様になっています。
    この方式を採用してから、設計、生産計画、購買、製造、品証がプロジェクトの進捗を共有出来る様になり、計画の遅延が無くなりました。

  • 部門業績の見える化
    部門業績の見える化
    間接部門も、部門の業績を数値化する工夫がしてあり、三つの指標を総合した指標で評価しています。
    各部門にはこれら四つの指標で毎月の実績をグラフ化し、目立つ所に掲示してあります。

    生産現場の見える化
    製造部門の業績も同じ様にグラフ化されており、一人当たりの生産付加価値を金額で表してあります。
    左上の表は、作業員ごとに作業の習熟度を、親鳥、ひよこ、卵の三段階で表示しています。

  • 清掃マップ

    清掃マップ
    部門ごとに清掃エリアが分割してあり、清掃責任者が割り当ててあります。

  • 引き出しの整理整頓

    引き出しの整頓
    中央の引き出しを空けると、置く場所が指定してあり、不要な物を置けない様になっています。左右の袖引き出しは封印されており、開かない様にしてあります。これは製造現場の机ですが、オフスの机も同じにしてあります。

  • 机上の整理整頓

    机上の整理・整頓 個人ロッカーの整理・整頓
    机の上も整理整頓されており、机の上に置く資料はその日使用するモノだけです。(左上写真)
    個人が使用する物は、全て個人ロッカーにしまい、机の上には置きません。その上個人ロッカーの扉が透明になっており、要らない物をたくさん押し込んでおくと外から一目瞭然になっています。(右上写真)

    整理整頓は、PCの中もします。デスクトップのアイコンは左側に1列のみ。ハードディスクの中も整理整頓します。保管するメールの期限が決めてあります。

  • オフィスの戸棚の整頓

    戸棚の整頓
    どこに何が有るか一目瞭然なので、探す手間が省けます。そしてどこに戻せば良いかも一目瞭然になります。

  • 個人スケジュールも見える化

    スケジュールの見える化
    全員に同じフォーマットのスケジュールノートが配付されており、左ページに予定、右ページに実績が書き込める様になっています。小林総経理のノートは、びっしり書き込まれています。現場の作業員のノートもきちんと1週間分の予定が入っており、その日暮らしの仕事にならない様になっています。

  • 壁のポスター

    べからずポスター
    自分たちの製品は、お客様が大切な人に贈るプレゼントが入る物です。心を込めて生産し、材料も粗末に扱わない様にと言うメッセージが込められています。

    間接材料
    間接材料の値段が全て表示してあり、セロテープ一つでも大切に使う様にポスターが作られています。

    栄枯盛衰は挨拶から
    (左側の図)栄枯盛衰は挨拶から。挨拶をする組織は栄え、挨拶が出来ない組織は衰退すると言うメカニズムを分かり易く表現してあります。
    (右側の図)毎日掃除をするから職場が清潔となる。職場が清潔になると危険を除去でき安全になる。
    清潔になったら要らないをするモノを捨て整理をする。要らないモノを捨て、必要な物だけを整頓をする。
    整理整頓をきちんと出来る様にし洞察力、品質意識を高めるのが躾。
    と言う6Sのメカニズムを図で表現しています。

    改善ポスター
    改善は量を追わない、効率を追及するモノだ、と言う事を分かり易く伝えるポスターが掲示してあります。

    総経理肖像
    小林総経理の肖像写真に、従業員に対する感謝の言葉を添えて飾ってあります。小林総経理は、恥ずかしいから止めてくれと頼んだそうですが、日本の(株)武蔵野を見学した中国人幹部が、掲示を決めたそうです。

  • 生産計画の見える化

    出荷・生産計画の見える化
    階段の踊り場には、生産計画・出荷計画の予実が一目で分かる掲示が有りました。

  • 人財の見える化

    人財の見える化(1) 人財の見える化(2)
    オフィスの職員が顔写真入で掲示してあります。個人の趣味や、上司の評価まで書いてあります。
    上司と部下のコミュニケーションが良くなければ、こういう掲示は出来ません。

  • 改善提案

    改善提案
    部門ごとに職員の改善提案が掲示してあります。同じ掲示板に係長以上の月報が掲示してあります。

  • 清掃道具

    写真は有りませんが、掃除が困難な場所をキレイにする為に清掃道具を工夫してありました。
    手がどとかないんだから「没方法」と諦めないで、工夫をする躾が出来ていると思いました。

■質疑応答

【Q】現場で一人当たりの生産付加価値を金額で表現していると言うことは、経営数字もオープンにしているのか?
【A】予算計画なども含む経営数字をオープンにしている。

【Q】机の引き出しを封印するのは抵抗はなかったか?
【A】最初は抵抗が有ると心配した。まずは製造現場の管理職の机から始めた。抵抗なく出来たので、後は一気に全体に広めた。
総経理室にある執務机は立ち作業用の高さになっていました。引き出しも同様になっている様です。

【Q】評価制度について教えてください。
【A】従業員評価は毎月実施している。評価し易い様に項目を決めたチェックリストが有り、各項目を5段階評価で評価している。まず自己評価をしてもらい、上司評価と2点以上差が有る項目について、上司・部下で面談をする仕組みになている。

【Q】新人教育は誰が担当するのか?
【A】現場の組長と技術指導課の職員が教育する。試用期間中に能力を見極め正規採用を決めている。

【Q】生産量に合わせ雇用調整はするか?
【A】ほとんどの場合は、残業が少なくなると辞めて行くので、余り苦労していない。
残って欲しい作業員は、残業の多い仕事に回す様にしている。

【Q】部門ごとに6S評価の不公平感が有り困っているが、どうされているか?
【A】間接部門は製造部門より6S評価合格点を高くしている。合格点に差を付けることで不公平感を少なくしている。

【Q】作業員との懇談会で不平不満が出ないか?
【A】懇談会には人事部の職員も2名参加し、不満を受け止め改善する様にしている。
懇談会の順序を決めており、
(1)自己紹介
(2)改善して欲しい問題
(3)会社の良い点
(4)自分自身の夢
の順に語り合っている。この順序だと、最後に良い雰囲気で懇談を終えることができる。
不平不満も若干は有ったが、むしろ会社に対する感謝が多く出る様になった。
1回の懇談に40分ほどかけている。

【Q】食堂などで、材料費のごまかしなどの不正を良く聞くが、御社ではどうか?
【A】有るかもしれないが、ちゃんとした証拠が無いのでそのままにしている。
食堂の職員も社員にしている。利用者の満足度をあげるため、清掃をきちんとやっている。
原価を押さえる為に、業者のコストと競争させている。

【Q】清掃を全員でやる為にどんな工夫をした?
【A】まず小林総経理自身でトイレ掃除から始めた。

【Q】給与査定はどうしている?
【A】毎月の勤務評価、能力評価を12ヶ月分合わせABC評価を付けて決めている。
間接職員全員(90名)は総経理が4者面談をする(本人、上司、通訳)。
今年から残業代込みの給与体系とした。今の所不満はなく、ムダな残業をする者が減り、皆定時に帰宅する様になった。

参加者が遠慮して、質問が出ないのではないかと心配しましたが、大変活発な質疑が出来ました。

■懇親会

近所の中華レストラン懇親会を開催しました。乾杯時に、永和方式の乾杯を教えていただき、東莞和公開流にアレンジし「イー・アール・サン!東莞和僑会ナンバーワン!いえぃ!」の号令で乾杯をしました。


2テーブルに別れた参加者で活発な交流をしながら懇親会が出来ました。
最後の締めも、永和流三本締めを林部長の発声で懇親会を終了しました。

大変有意義な工場見学・交流会を実施することができました。
翌日は日曜日にも関わらず。続々と参加者から感謝のメールが届きました。

■参加者の声

ほぼ全員の方から参加後のご感想メールをいただきました。長文でいただいた方の分のみ掲載します。

  • 永和様の見学会、本当に勉強になりました。
    会社にこもり、自社しか見ないで改善を進めようとしていた自分を大いに反省しました。
    5S徹底による成果があのような管理の仕組みに発展し、間違いなく業績に大きな貢献をしていることを目の当たりしに、自社がいかに目先の改善に終われ、根本的な5Sの意味を見失いかけていたことに気づかされました。
    同行者も相当感銘を受けたようです。
    やはりは百聞は一見にしかず、です。
    聞いたり読んだりした知識の何十倍も勉強になりました。
  • 当社はまだまだ未熟な会社であり、自社の方向性すら見えなくなっていましたが、今回のような見学会を通し、大いに勇気付けられました。やるべき事、当社でも出来る事がまだまだある!と。
    また、参加されている方々との交流も予想以上に勉強になりました。
    皆、学ぼうとしている方々ばかりなので、プラスのポジティブパワーが溢れている会だったように思います。
    これまた大いに活力を頂きました。
  • 今回の小林総経理の会社を見学させて頂けた事、また石野総経理や馬場総経理のように前向きに自社の改善を行っている方々との交流により、本当に私がやるべき仕事、目指すべき会社の姿がおぼろげながら再確認できたように思います。
  • 真似る事こそ最も効果のある改善です。
    早速教えていただいた内容をみなで共有し、できる所から少しずつでも進めて行きたいと思います。
    この度はこのような機会を頂けました事、心より感謝申し上げます。
  • 先週土曜日東莞永和工芸盒有限公司の見学のチャンスをいただいて、誠に感謝しております。
    とても素晴らしい工場でした。特に壁に貼っている表が多くて、なんでも数字で評価することにびっくりしました。各部署、各工員にはっきりの目標を作って、みんなに目標をわかってもらって、目標に向いて頑張るのはすごいと思います。

    4月田中光学工場を見学してから弊社も5S活動を導入しました、約3カ月の毎朝20分の掃除で確かに工場が綺麗になりました、それから何をしたらいいのか迷っていました。先週の見学でなんとなくわかりました。
    ありがとうございました。

  • 4月に石野さんの工場見学をして、綺麗だ!これはすごい!
    うちも5Sをやらないといけないと心から強く感じまして、5月からやり始めました。
    副総経理もトイレの掃除をし、皆さん自発で工場の庭を掃除したり、一年ほぼ使ってない、すっごく汚い食堂を掃除したりとか、前は考えられないことができました。
    5Sはいいなってもっと深く感じました。

    しかし、ほぼ3月を続けてきて、いろいろな問題もでてきました、
    工員の文句とか、一所懸命やってるのに、認めてくれないとか、
    このままだと本当に続いていけるかと自分も自信がなくなりました。

    先週永和工芸盒有限公司工場見学してから、どこでもデーターを貼ってあり、なんでも見るとすぐわかりやすくて、ここまで透明管理していることにびっくりしました。
    工員さん達の挨拶もすごく元気でパワーをいただきました。
    5Sは難しいですが、一つ一つの困難を解決して、会社の皆と一緒にやっていこうと思いました。

    本当にすばらしい見学で有難うございました。

  • 東莞永和工芸盒有限公司の見学会は、本当に有意義でした。
    小林総経理様や小松部長様は、以前より面識がありましたがこのような工場管理方法を採っているとは、露知らず、このような機会が偶然にも得られたことに感謝しています。

    本日朝9:00から、私の下にいる管理者と現場役付き者を集めて、撮らしていただいた写真を元に説明会を開催しました。
    皆、ひじょうに興味深く、見て聞いていました。
    早速、何点かをマネさせていただきます。

    重ねまして、機会を与えていただき感謝いたします。

  • 先日はお忙しい中、会社見学の機会を頂きまして誠に有難うございます。
    貴社の取り組みや小林総経理のお考えに感銘を受け、大きな刺激となりました。
    弊社の管理職を集め、撮らせて頂いた写真を見せながら説明会を行いましたところ、写真をめくるたびにどよめきが起こっていました。
    弊社も自慢できる工場になれるように努力していきたいと思います。

今回の工場見学交流会に刺激を受けた方々が、参加者同士で個別に工場訪問・交流会の計画を立てておられます。今回の定例会を企画した東莞和僑会事務局も大変嬉しく思います。
今回訪問させていただいた永和工芸盒有限公司小林総経理、ご参加いただいた方々に改めて感謝いたします。

林@クオリティマインド の紹介

中国広東省にて品質改善・経営革新コンサルをしています.
カテゴリー: 議事録   パーマリンク

コメントは受け付けていません。